2005年05月 一覧

お母さんのパン。

パンを作るってほんとに難しい。
100点満点のパンは一生出来ないと思う。
なぜなら、次はもっと美味しいパン作ってやるぞ!っておもうから。

1日1日の移ろいの中で気温、湿度を肌で感じ、生地と会話し、仕事の流れを読みながら微調整を繰り返す。

生地からのメッセージは時に強く、時に囁きに過ぎないこともあるが
必ずメッセージを発している。
焼きあがったパンは、全てさらに美味しくあるために、何をすべきだったか教えてくれる。

パン屋ならパンを焼ける当たり前だ。
でも、美味しいパン屋さんにはとっておきの力がある。
「美味しいパンをみんなに食べてもらいたい」って想いだ。
この想いをたっぷり感じ取った生地がオーブンからパンとなって焼きあがる。

パン作りはある意味陶芸に近いのではないかと思う。陶芸の経験はないけど最後は自分の生地を信じ、想いを託してオーブンへ入れる。
やれる事はやった。あとはパンを見守るだけだ。
決して思い通りにはならないけど。。。

だから僕はパン屋でいる。

最近、家庭でパンを焼く主婦が多い事に驚かされる。
パン屋さんに自分のパンなんてって恐縮されるが
家族を思い愛情たっぷりのパン。

どんなパン屋もかなわない。


美味しいパン屋の見分け方?

初めてのお客様で「~~が美味しいパン屋さんは美味しいパン屋さんなのよねぇ~」と言う話をよく聞く。

この間は、「カスタードクリームが~~」

その前は「食パンが~~」

いつだったか「クロワッサンが~~」

「フランスパンで分かるんだよ!」と
男性のお客様が・・・

結局、全部「美味しい!!!」って言われるように
がんばります。


ピンクのボールとぺティーナイフと

今日はささやかなこだわりを紹介します。
ピンクのボールは毎日これにドライイーストを入れて予備の発酵をさせるのに使います。
ぺティーナイフはバター等の油脂を計量するのに使います。
ホントはなんでもいいんです。ボールなんて白、青、ステンレス、厨房に10個くらいあるし
ぺティーナイフもしかり。。。
でもこれじゃなきゃ駄目なんです。「うまいパン焼けないぞ~~」位な落ち着かないと言うか。。。
人から見れば「テンチョウ何なの?」って思う位くだらない事なのでしょう。

厨房ではラジオをつけています。
この間はそのラジオが壊れて「大相撲」しか聞けなくなってしまいました。
下手にいじくると何も聞こえなくなってしまいます。
スタッフに「テンチョウいつから相撲好きになったのですか?」聞かれる始末です。
夜中にシンとして仕事をしていると、さびしいもので。。
忙しい中なんとかチューニングを合わせました。今度はボリュームが大きすぎです。
(小)ボタンを押しても音量アップ、なら(大)を押したら・・・もっとアップ!!
夜中なのでラジオ消しました。
なんか仕事のリズムが悪いのです。

でも、そんなくだらないこだわりの積み重ねが
食材、製パン方法等、バゲットマジシェンヌのこだわりへとつながっているのでしょう。

みなさんも些細な「こだわり」ありませんか?


食パン「KAMIYABE]報告その2

以前紹介した食パン「KAMIYABE」!

更なる「美味しさ」の追求。
毎日の食卓に、美味しさと共に健康という観点からも
支持していただきたくて、旨味の「国産小麦」、
「天然食物繊維」を配合し試作を重ねまもなくデビューです。

ビート(砂糖大根)由来の「ビートファイバー」が1斤あたり
2,7グラム入っています。
(6枚切2枚で1日の食物繊維不足量1/6摂取できる計算になります。)

ここからが「テンチョウ日記」

食物繊維、たいして入ってないじゃん!
て感じる方もいるかもしれないけど
ホント高価なのです。価格据え置きで配合できるギリギリまでいれました。
食パンの価格を上げて「スペシャル食パン」に
してしまったら、毎日摂取する事に意味がある食物繊維をとっていただけないそれでは意味がないと思ったからです。

「KAMIYABE]の名前はもちろん上矢部町からです。
今でも必ず売り切れる食パン、
「いじる必要があるのか?」
「コストが上がるだけ!」
と言う声もありますが
地域貢献という大義名分を作って
自分自身も納得させているのです。


失敗!

仕事をしていて、人間である以上、失敗はつきものだ!(って偉そうに言う事ではないが)

配合を間違える。意外と肝心要のイーストを入れ忘れることが多い。
この間、発酵に8時間掛けるのに入れ忘れて泣けてきました。(3時間後くらいに気が付いた)

ダントツに多いのがパンを焦がす。オーブンに入れっぱなし。。
修復不可能。。。

焼きあがったパンを床に落とす。
無言・・・

最近、テンチョウ自ら寝坊をした。
スタッフに電話で起こされる。
情けない・・・

ふと、寝坊で思い出した
修行時代によく寝坊してくる仲間がいた。
毎度のごとく寝坊をしてくる。

チーフが怒鳴る。僕も内心腹立たしい。
「どうしたんだ?」

彼が答えた
「・・・道に迷って・・・」

チーフは無言で立ち去る。。。
僕は怒りもうせて笑い泣きした。

なぜなら彼はそのパン屋に働いて3年になる・・・・
 

今度、使おっと!


米粉パン?

当店でもたま~に聞かれる、米粉100%で作った米粉パン。
食糧庁も学校給食に米粉パンを協力的に支援しているとか・・

僕も修行時代のパン屋で展開していて作った記憶がありますが。
いわゆる小麦パンとは別物でした。

パンの定義は僕の解釈では広義で「自然の穀物を粉状にして水で練って焼いたもの。」
米粉もそれだけだったら僕も納得できる。
実際は小麦から「グルテン」というたんぱく質を抽出し米粉に混ぜ膨らましている。

じゃあ「グルテン」取られた小麦はどうなったの?って、まぁ商品価値のないものや家畜の飼料となるのかもしれないけど・・・

もちろん、無醗酵パン、ベーキングパウダーで膨らますブレッドなんかあるから
たいした事じゃないのかも知れない。
白米ご飯の国、日本人だからかもしれない。
パンっていうから納得できないのかもしれない。
米屋さんや煎餅屋さん?がやるのなら納得できるのかもしれない。。。
小麦のパン生地にお米を練りこむなら納得できる。胡桃もレーズンも一緒だから。

儲かるならなんでもいいのか・・・、新作パンのネタ切れか・・・

要は、自然に出来るもの使って、
パン屋なら発酵に全力を尽し、うまいパン作れば良いんじゃないのか。

パン屋として誇りを持って仕事をしたい。


オーブン

なんだか分かりますか!
パンを焼くオーブンのコントロールパネルとオーブンの中です。
修行時代に使っていたドイツ製のオーブンで、こいつ(オーブン)が好きなんです。
お店には写真のメインオーブンとクロワッサン等サクッと焼きたいときのサブオーブン2台あります。
メインオーブンの方の紹介です。
強力な火力と、きめ細やかな温度設定、十分に出る蒸気、特殊な人口石炉床の遠赤外線効果しっかり火が通り石窯に引けをとらない焼き上がりになります。
普通のオーブンと違い間口が狭く奥に深いのです。そのため保温性もよく思い通りのパンが焼けます。
欠点は奥のが取れない!ことですね、普通のオーブンは、作業性も考えて横2列、縦2列で奥のパンを取るのに2アクションで取れます。うちのは縦に4列、4アクションかかります。忙しい朝はバタバタしてます。途中で鉄板が引っかかたり・・・
たまに、火傷もします。奥のを取ろうとして腕の下側がオーブンに「アチィ!」
反射的に腕を上に・・・今度は腕の上側が「アチィ!!」両面こんがりっていうのは稀ですけど・・・
新人君は奥のを取ろうとしてあまり手を伸ばしすぎて、顔がオーブンに近づきすぎて耳を「アチァ~~!」とやってました。

それでも、美味しいパンが焼きたいのです。


バゲットマジシェンヌ

の意味は意訳になりますが「魔法の杖」と言う意味です。フランスパンにこだわりがあったので店名にどうしても「バゲット」を使いたかったのです。そこで、魔法にかかったかのような(おいしい)バゲット(フランスパン)魔法の杖という2つの意味ををかけて、フランスの友人に「バゲットマジシェンヌ」は通じるのか確認して名づけました。

しかし、なかなか覚えていただけないだろうなと思い
そこでシンボルマークを考えました。

ほとんどのお客様には呪文の様に聞こえるらしく、さまざまに呼ばれてます。
「公園のパン屋さん」「バゲットさん」「マジシェンヌさん」「魔女のパン屋さん」「バゲマジ」(ちょっとフランスパンが美味しくないみたいだなぁ~)

さらに続きます。。。聞き取れない、知ってても書き間違う
大体は「バゲットマジシャン」「バゲットマジェンヌ」「バケット~~」等

こないだ宅急便で荷物が届きました。
爆笑間違いランク1位に躍り出たその名前は
「パケット マジションヌ」なんかきたないなぁ~~

って笑えないか・・・


パーティー、パーティー!

この所、パーティサンドのご注文が多い。
陽気のせいだけでなく、そう言う時期なのかな新学期の親睦会など。

この間も、パーティーサンドの注文が入った。
このようなご注文は毎度の事ながら心配になる。
まず、パンの劣化だ。パサパサになっていないか、お気に召して頂けたか
電話して感想をお聞きしたい!!って思う。

お店の電話が鳴る。
この間のご注文の方からだ。
まず、不安がよぎる。。。

「大変美味しかったです。」
「素敵なパーティーになりました。」
わざわざ、お礼の電話を頂いた。

元気100倍アンパンマン テンチョウ!です。


ハニー


本日も争奪戦?になったと言う田舎パン
蜜りんごのパンには、なんと「マヌーカ」を使用しているんです。無添加で希少性価値もありますし少量でも良い芳香をかもし出し、蜜りんごのパンの特徴となっています。僕自身好きなパンの1つです。
隠しアジにはジンジャー生姜を使っています。
もともと、冬用にお作りしたパンで、りんご、蜂蜜、生姜で厳しい寒さから少しでも体のためになればと考えました。


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