2005年09月
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季節の変わり目。
季節の変わり目。
厨房の中も、朝来てみて30℃超えていると言う事はなくなりました。
朝一番。つかの間の眠りから覚めて機材達もまた動き始めます。
生地の仕込みが一番不安定で神経を使います。
仕事開始から何時間も経っていれば、厨房内、機材も程よく(温まって)
安定しています。
室温を確認し、小麦粉の温度を測り、仕込み水温を決定し生地の捏ね上げ
温度を希望通りに持って行きます。
当店のフランスパン、夏でも冬でも室温で長時間熟成させています。
当然、寒くなり始めるこの時期の微調整、神経を尖らせます。
夏場はいかに醗酵を抑えるかに重点を置いていましたが
これから、冬はいかに醗酵させるかに変わっていきます。
秋はちょうど良く楽なのですが、夏から秋になるこの変わり目が
慎重にさせます。
見る人が見れば、今日のフランスパン、季節の変わり目に気付くでしょう。
(国産、フランス産小麦半分、吸水70%以上、ヴィタミンC無、高速ミキシング無)
頑張ります。
昨日は、
定休日。
久しぶりにイタリアンのヴィヴァーチェさんに食事に出かけました。
試作のシュークリームを持って。
昨日は、お互い歳が近い事や、業種は違えど同じ食人として
お互いにもっと交流を持ちたいなと思っている事が分かりました。
昨日は私的に記念日だったので特別料理、名付けて(勝手に)
「ヴィヴァーチェ風、松茸と鯛のホイロ蒸し」を作って頂いちゃいました。
美味しかった~~。
また、刺激を貰いに食べに行きますね~。
お互い頑張りましょう!
満天の星空。
予期していない
満天の星空。
台風一過で大気のチリも
すっ飛んだのだろう。
夜風もヒンヤリ
気持ちいい。
少年時代、望遠鏡を持ち出して夜空を見上げた。
月を見飽きて、
何気なく覗いた星は、
なんと「土星」。
あてずっぽうに覗いた星は、なんと「木星」。
自転の速さを実感した天体観測。
そんな少年時代のワクワクした気持ちも
今日はパンに上乗せして焼き上げた。
バゲットを食べよう!!
「このパン、どうやって食べるの?」やっぱり聞かれるので
僕のフランスパンの食べ方をお教えします。
いつ食べるかが大事です。
今日、焼き立てで買ったパンを今日中に食べるのならば
紙袋に入れたままでも結構だと思います。
明日の朝にしよう!って時には
冷めて熱が取れていたら、即付属のビニール袋に入れ替えます。
皮がフニャッとなるのが気になるかもしれませんが
焼き戻しでカバー出来ます。それより水分を飛ばさない事の方が
大事です。
どうしても、それ以降に食べると言う時は冷凍保存します。
保存方法は1回で食べきる最大の大きさにカットして
(薄くスライスしたりしないで、なるべく乾燥させないように)
アルミにピッチリ包んでその上からラップで密封します。
さぁ焼きます。
焼き方というより温め直しと言った方が近いかもしれません。
まずオーブンを温めておきます。
薄くスライスしないで、その時食べる最大の大きさのまま
アルミに包んでオーブンに入れます。
スライスするなら焼き戻した後です。
パンが焼き上がってからそんなに時間がたっていない場合。
オーブンに入れると皮の状態:硬い→フニャ→また硬くなる=焼き戻し完了(3~4分位)
皮が戻ってしまっている場合。→→→フニャ→また硬くなる=焼き戻し完了
冷凍しておいた場合。もし霜がついていたなら必ず落とす。(匂いが移る)
芯まで解凍するのに時間の掛かるパンなら自然解凍させますが
バゲット位ならそのままオーブンに入れてしまいます。
僕の場合アルミに包んで冷凍しているのでそのままオーブンへ。
ちなみに、パンが一番パサパサになるのは冷蔵庫の中です。
解凍するときはその温度帯をいかにすばやく切り抜けるかです。
僕の好きな食べ方は、バゲットに無塩バターです。
これは好き好きなので「私はこれっ!」が
一番美味しい食べ方だと思います。
穀物の食パン。
茶色い内層の穀物の食パン。
最近人気が高く、ご予約や1本(3斤分)で買われていく方が多いので
あらためて、紹介したいと思います。
曜日限定のパンとしてお出ししていますが、
レストランにこの生地で作ったバンズを毎日焼いていますので
実は、決まった曜日以外でもたまにお店に出ています。
発芽大麦、オーツ麦、亜麻仁、胡麻、大豆、ヒマワリの種。
が入っています。
これら穀物はヴィタミン、たんぱく質、食物繊維、リノール酸、イソフラボン等を含みます。
食パンKAMIYABEとの兼ね合いもありまして
いままで公表していませんでしたが
更に食物繊維を含む小麦粉を使用して焼き上げております。
名づけて
「スーパーファイバーブレッド」
なのです。
がんばろう!パン職人!!
今日は、僕の知り合いのパン屋さんから紹介で
女の子の職人さんがやって来ました。
修行先を探しているそうです。
現時点では当店で職人を雇える余裕は無いのだけれど
店内を案内し、色々と話をしました。
僕自身、偉そうな事はいえないのだけれど
これからの若いパン職人。僕は応援します。
アドバイスできるかもしれない。
知り合いのパン屋さん紹介できるかも知れはい。
知らないパン屋の厨房を覗けるだけでも勉強になる。
また、お話聞かせてくれるのを待っています。
そういう話は重なるもので、電話でも問い合わせいただいた。
「力になれるかも知れないから、よかったら来てください。」
と言って電話を切った。
最後に、僕自身の経験を一つ。
悩める若きパン職人の皆さんへ、
どこのパン屋さんに修行に行っても
結局いつか、同じ壁にぶつかると思う。
自分で乗り越えない限り。。。
皆でがんばろう!先輩たちも必死でやってますから!
美味しいパン!
焼こう!!!
パンの好み。
フランスパン。
最近は低温熟成でクラスト(皮)はバリッとハードに
クラム(中身)はネチッとモチッとが流行?みたいです。
あくまで好みの問題だと思いますが、フランスパンに関しては
僕は、料理の邪魔にならないように、歯切れ良く、軽く仕上げています。
その上で醗酵によるパンの旨さも主張できるように。
ポーリッシュ法(水種法)で醗酵によるアロマを存分に引き出し
オートリーズ(粉と水だけを練っておいて置く)を15時間。
十分に熟成させます。そして、しっかり焼き込むことで
歯切れよく仕上げます。
塩加減も絶妙?なところで抑えてあります。ご家庭では有塩バター、
マーガリン等塩分が含まれている事の方が多いのと、やはり料理と一緒に食べる。を基本としているからです。
もちろん、無塩バターと合わせていただいても
しっかり美味しい塩梅にしています。
それに対して、カンパーニュはまさにパンと対峙するといっても
過言ではないかもしれません。
ガシッと焼き込まれたクラスト。ムチッとしたクラムは弾力があり
咀嚼力を必要とし、よく噛まないと飲み込めません。
でも、その行為が全粒粉を配合したカンパーニュの穀物の滋味深さを
感じることになると思います。自然酵母による酸味も好みの分かれる
ところだと考えます。しかし、この酸味を伴ったパン全体の主張が
濃い目の料理をしっかりと受け止めます。
バゲットの繊細で上品な味わい。
カンパーニュの無骨で野性味のある味わい。
パンにも個性があるのです。
積極性。
僕らは職人だ。
未知の領域は当然不安だ。
失敗、不安、面倒色々あるだろう。
ましてや強要される物ではなければ
手を出さなくても良い。
その方が楽だから。
「やらない。」
二つの選択肢があれば当然「やる。」を選ぶ。
やって見なきゃ分からない事が沢山ある。
失敗がその分野の知識を深める事になる。
チャレンジしよう。
恐れずに。
そして、その精神が職人なのだ。